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2013年7月14日 (日)

地球風(特別編)フィンランド紀行2

 
「 写真の力」

 

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「Every day is a journey. and the journey itself is home」

まさかヘルシンキで、この言葉を見られるとは・・・・。

世の中にあまたある書籍。その中で最も美しい書き出しは、松尾芭蕉の「奥の細道」だと、僕は思う。

「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。舟の上に生涯をうかべ馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして、旅を栖とす」

上記は「日々旅にして、旅を住みかとす」の英訳だ。

ヘルシンキを散歩中、一枚のポスターに目がとまった。そこには、世界で最も有名な写真の一枚が、印刷されていた。赤いブルカをかぶり、背後は褪せたグリーンの木壁。緑色の少女の瞳がまっすぐ僕を捉える。

TAIDE HALLで開催されている、その写真展へ向かわずにはいられなかった。

ナショナルジオグラフィック。言わずと知れた世界最高峰の月刊誌。その緻密な取材と、圧倒的な写真で、時代をリードしてきた。

ナショナルジオグラフィック専属カメラマンとなり、世界中を駆け巡った伝説の写真家スティーブ・マックリーの展覧会だ。

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入場料を支払い、中央の階段を上っていくと、有名な赤いペイントをした女性写真が迎い入れてくれる。

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マックリーの代表作が、次々と並ぶ会場。そこに添えられた、偉人の言葉。マザーテレサやマンデラ、そして日本が誇る俳聖、松尾芭蕉。

隣の部屋には、2枚の写真だけが、ポツンと置かれていた。

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今から28年前、ソ連によるアフガニスタン侵略で両親を失いパキスタンの難民キャンプにいた少女、スティーブはそこで彼女と出逢った。もう一枚は17年後、彼はアフガンで彼女を探し出し、同じポーズで撮影したものだ。

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写真は印画紙に焼いて初めて分かることがある。

緑だと思っていた瞳の中には、黄色やオレンジも混ざり、まるで虹の瞳のようだ。

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そして雑誌からは伝わらなかった、凛とした迫力が波のように伝わった。

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会場で流されていた映像には、世界初のスライドフィルム・コダクロームの最後の一本を彼がニューヨークとインドで撮影していくという、素晴らしいドキュメンタリーだった。

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会場を後にして、ヘルシンキ郊外の湖水地帯へ。

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白夜の光が、森を照らし、みな黄金に光り輝いていた。

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ボートの舳先に座る犬、釣りをする人々。

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そして、ふと見上げると、白夜の中、大きな満月が昇ってきた。

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ホンカデザインセンターPresents
写真家・野村哲也 スペシャルブログ

ホンカログハウスに居住したことのある筆者が地球の息吹を綴ってゆきます
プロフィール
Author: 野村哲也
1974年12月13日生まれ。
岐阜県岐阜市出身。
高校時代から山岳地帯や野生動物を撮り始め、“地球の息吹き”をテーマに、アラスカ、アンデス、南極などの辺境地に被写体を求める。
2007年より、南米のチリに移り住み、四季を通してパタゴニアの自然を撮影。写真はCMや新聞、雑誌などに数多く掲載されている。今までの渡航先は85ヶ国に及び、海外の辺境ツアーガイド、TV局やマスコミのアテンドにも携わる。国内では幼稚園から生涯学習センターまで、幅広い年齢層に講演活動を続けている。2011年より南アフリカ、ステレンボッシュに移住

著書
「パタゴニアを行く 世界でもっとも美しい大地」
「世界の四大花園を行く 砂漠が生み出す奇跡」
(共に中央公論新社)
写真集「PATAGONIA」
「ペンギンがくれた贈りもの」
(共に風媒社)
~たくさんのふしぎシリーズ~
「砂漠の花園」
「100年にいちど咲く花」
「僕のデナリ国立公園ガイド」
(共に福音館書店)など多数